メジャーリーグでホームランを打つというのは、野球選手にとって最高の喜びのひとつでしょう。世界最高峰の舞台でアーチを描くことを夢見て、日々日本でプレーしている選手もいます。
しかし、メジャーリーグでホームランを打つことは、決して簡単なことではありません。日本人選手は、文化や環境の違い、長いシーズンや移動距離、強力な投手陣など、様々な困難に直面しながらプレーしなければなりません。
それでもメジャーリーグに挑戦した日本人選手たちは、数々の快挙を成し遂げてきました。本記事では、メジャーリーグでホームランを打った日本人選手たちの記録をお伝えします。
日本人選手のMLBでのホームランに関する歴史
日本人メジャーリーガーが誕生したのは1964年で、『マッシー』こと村上雅則選手が野球留学中にスカウトされたのが始まりです。日本人のメジャーリーグ初ヒットを記録したのも村上選手で1965年のことです。
初ヒットを放った試合は村上選手が投手として途中出場した試合で、打席が回ってきた際にバントヒットを放ちました。
しかし、MLB在籍の2年間でホームランは打てませんでした。では、初ホームランはどの選手が記録したのでしょうか。
実は、日本人メジャー初ホームランを記録したのも投手であり、野茂英雄選手が1998年4月28日に記録しました。この日は野茂選手にとってメジャー先発100試合目の節目のタイミングです。見事に投げては完投勝利、打っては日本人メジャーリーガーの初ホームランで花を添えました。
余談ですが、村上選手が海を渡って以降、約30年もの間、日本人メジャーリーガーは誕生しませんでした。こうした経緯もあり野茂選手は『MLB挑戦のパイオニア』といわれています。
そして、MLBのあらゆる記録において、野茂選手は『日本人初』を記録しています。ホームラン以外にも打者として、二塁打、三塁打、さらには打点ならびに四球、他にも犠打、犠飛、得点などです。もちろん、野茂選手は投手としても多くの『日本人初』の記録を残しています。
さて、打者出場で初めてホームランを打ったのは、2001年4月6日のイチロー選手です。イチロー選手がメジャーリーグ初の日本人野手ですので、もちろん日本人野手の初ヒットもイチロー選手が記録しました。
それ以来、多くの日本人バッターがMLBの舞台でアーチを描いています。代表的な日本人野手として、松井秀喜選手や現在MLBで最も注目されている大谷翔平選手らを挙げることが出来るでしょう。
2023年シーズンは大谷選手に加えて、鈴木誠也選手や吉田正尚選手も多くのホームランを放ちチームの勝利に貢献してきました。
日本人選手のMLBルーキーイヤーに放ったホームラン数
では、実際にNPBで実績を積んで海を渡った日本人選手はMLB 1年目、どれほどのホームランを放ってきたのでしょうか。
ここでは、日本人選手がルーキーイヤーに放ったホームラン数をランキング形式で上位10名を紹介いたします。
- 1位 大谷翔平選手 22本(2018年)
- 2位 城島健司選手 18本(2006年)
- 3位 松井秀喜選手 16本(2003年)
- 4位 井口資仁選手 15本(2005年)
- 4位 吉田正尚選手 15本(2023年)
- 6位 鈴木誠也選手 14本(2022年)
- 7位 新庄剛志選手 10本(2001年)
- 7位 福留孝介選手 10本(2008年)
- 7位 青木宣親選手 10本(2012年)
- 10位 イチロー選手 8本(2001年)
- 10位 筒香嘉智選手 8本(2020年)
こうして見ると、NPBで多くのホームランを放ってきた選手でも、MLB 1年目は苦戦しているように見受けられます。例えば、松井秀喜選手は2002年、読売ジャイアンツに在籍してシーズン50本のホームランを放って海を渡りました。
NPB(日本野球機構)時代はパワーヒッターという印象が強いですが、松井選手自身、MLBでは中距離ヒッターを自称していたほどです。
日本人メジャーリーガーのシーズンホームラン記録
続いては、日本人選手がMLBで放ったシーズンホームラン数について、ランキング形式で上位10名を紹介いたします。
- 1位 大谷翔平選手 46本(2021年)
- 2位 大谷翔平選手 44本(2023年)
- 3位 大谷翔平選手 34本(2022年)
- 4位 松井秀喜選手 31本(2004年)
- 5位 松井秀喜選手 28本(2009年)
- 6位 松井秀喜選手 25本(2007年)
- 7位 松井秀喜選手 23本(2005年)
- 8位 大谷翔平選手 22本(2018年)
- 9位 松井秀喜選手 21本(2010年)
- 10位 鈴木誠也選手 20本(2023年)
日本人選手のシーズンホームラン記録のトップ10に、大谷選手と松井選手の名前以外に名を連ねたのは鈴木誠也選手しかいません。
大谷選手ならびに松井選手は左バッターですので、鈴木選手が20本のホームランを記録した際、日本人右バッターがMLBで初の20本塁打を放ったと話題になりましたね。
鈴木選手の20本の記録に続くのが、井口資仁選手(2006年)と城島健司選手(2006年)、大谷選手(2019年)の18本です。
日本人選手のMLB通算ホームラン記録
最後に、日本人選手のMLB通算ホームラン記録のランキングトップ10を紹介いたします。
- 1位 松井秀喜選手 175本
- 2位 大谷翔平選手 171本
- 3位 イチロー選手 117本
- 4位 城島健司選手 48本
- 5位 井口資仁選手 44本
- 6位 福留孝介選手 42本
- 7位 鈴木誠也選手 34本
- 8位 青木宣親選手 33本
- 9位 松井稼頭央選手 32本
- 10位 新庄剛志選手 20本
通算記録は2023年シーズン終了時点の数字です。現在、大谷選手が松井選手の記録とわずか4本差ですので、順調に2024年シーズンを迎えることができれば松井選手の記録を超えると予想されています。
他には、鈴木選手や吉田選手が2024年シーズンも活躍することにより、2024年シーズン終了時点での日本人選手のMLB通算ホームラン数のランキングは大きく変動することでしょう。
まとめ
今回は、MLBで放った日本人選手のホームラン記録を様々な角度から見てきました。
2023年のシーズンオフに、複数の日本人投手がMLBに挑戦すると予想されていますが、野手のMLB挑戦はどうなるのでしょうか。
これからも日本人選手がMLBの舞台で数々のホームランを放ってくれることを期待しましょう。
<参考記事>
日本人メジャーリーガーの初記録【打撃・走塁編】日本人選手の初ヒットは、今からちょうど半世紀前丨 Yahoo!ニュース
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