MLBは、世界最高峰のプロ野球リーグとして知られています。その中で最も注目されるタイトルのひとつがホームラン王です。ホームラン王とは、レギュラーシーズンで最も多くのホームランを打った選手に与えられる栄誉あるタイトルです。
しかし、ホームラン王になるにはどのような条件や能力が必要なのでしょうか。また、これまでどの選手が歴代のホームラン王に輝いてきたのでしょうか。
本記事では、MLBのホームラン王ならびに歴代ホームラン王を獲得した選手などについて詳しく解説していきます。
MLBの打者タイトル『ホームラン王』とは
ホームラン王とは、メジャーリーグベースボール(MLB)においてもNPB(日本野球機構)同様に、レギュラーシーズンで最も多くのホームランを打った選手に与えられるタイトルです。
ホームラン王はアメリカン・リーグ(ア・リーグ)とナショナルリーグ(ナ・リーグ)の各リーグで別々に選出されます。
MLBでホームラン王を獲得するためには、一般的にストレートなどの速球に強いこと、パワーがあること、バレルゾーン率の高さなどが必要だといわれています。
バレルゾーンとは、長打が出やすいとされる打球の速度と角度を組み合わせた打球の割合のことです。
打球速度により最適な打球角度は異なりますが、一例としてバレルゾーンに必要最低限の打球速度158km/hであれば、打球角度は26〜30度がベストだといわれています。
MLBでは、バッターはバレルゾーン率の高さを求めて、トレーニングを積む選手も多いです。バレルゾーン率を高めるためには、ボールの反発力や回転数に応じてスイングのタイミングや角度を調整する技術を要します。
ホームラン王獲得自体にMLBからの賞金はありませんが、チームへの貢献度の高さから年俸やボーナスなどに影響していることでしょう。
MLBの歴代ホームラン王の中で、最も多くホームラン王に輝いてきた選手はバリー・ボンズ選手の12回です。また、ホームラン王のシーズン記録もバリー・ボンズ選手が持っており、2001年に73本を記録しました。
2023年MLBでのホームラン王について解説
2023年シーズン、MLBのホームラン王にア・リーグでは、ロサンゼルス・エンゼルスの大谷翔平選手が44本を記録して初めて輝きました。また、ナ・リーグではアトランタ・ブレーブスのマット・オルソン選手が54本を記録してホームラン王に加えて打点王も獲得しています。
大谷翔平選手のホームラン王獲得は日本人選手で初の快挙であったことに加えて、アジア人選手という括りで見ても初めての記録でした。
日本人選手のMLB通算ホームラン数はニューヨーク・ヤンキースなどで活躍した松井秀喜選手が175本で最多です。
2023年シーズン終了時点で大谷選手は171本のホームランを記録しています。ドジャース移籍後2月28日に行われたホワイトソックスとのオープン戦に初出場し2番指名打者でスタメン出場し初ホームランを放ちました。肘の手術後の回復も順調にすすんでいるようなので2024年シーズンにMLB日本人通算最多ホームラン数が期待できるでしょう。
また、アジア人選手でこれまで最も多くホームランを放った選手は韓国出身のチュ・シンス選手であり218本を記録しています。
MLBの歴代ホームラン王
MLBで直近10年でホームラン王を獲得した選手は次の通りです。
ア・リーグ
- 2023年 大谷翔平選手(ロサンゼルス・エンゼルス)44本
- 2022年 アーロン・ジャッジ選手(ニューヨーク・ヤンキース)62本
- 2021年 サルバドール・ペレス選手(カンザスシティ・ロイヤルズ)48本
- 2021年 ブラディミール・ゲレーロJr.選手(トロント・ブルージェイズ)48本
- 2020年 ルーク・ボイト選手(ニューヨーク・ヤンキース)22本
- 2019年 ホルヘ・ソレア選手(カンザスシティ・ロイヤルズ)48本
- 2018年 クリス・デービス選手(オークランド・アスレチックス)48本
- 2017年 アーロン・ジャッジ選手(ニューヨーク・ヤンキース)52本
- 2016年 マーク・トランボ選手(ボルチモア・オリオールズ)47本
- 2015年 クリス・デービス選手(ボルチモア・オリオールズ)47本
- 2014年 ネルソン・クルーズ選手(ボルチモア・オリオールズ)40本
2022年のアーロン・ジャッジ選手が記録した62本塁打は歴代のア・リーグ記録であり、同年に大谷選手とア・リーグMVPを争った結果、ジャッジ選手に軍配が上がりました。
ナ・リーグ
続いて、ナ・リーグのホームラン王についてです。
- 2023年 マット・オルソン選手(アトランタ・ブレーブス)54本
- 2022年 カイル・シュワーバー選手(フィラデルフィア・フィリーズ)46本
- 2021年 フェルナンド・タティスJr.選手(サンディエゴ・パドレス)42本
- 2020年 マーセル・オズナ選手(アトランタ・ブレーブス)18本
- 2019年 ピート・アロンソ選手(ニューヨーク・メッツ)53本
- 2018年 ノーラン・アレナド選手(コロラド・ロッキーズ)38本
- 2017年 ジャンカルロ・スタントン選手(マイアミ・マーリンズ)59本
- 2016年 ノーラン・アレナド選手(コロラド・ロッキーズ)41本
- 2016年 クリス・カーター選手(ミルウォーキー・ブルワーズ)41本
- 2015年 ノーラン・アレナド選手(コロラド・ロッキーズ)42本
- 2015年 ブライス・ハーパー選手(ワシントン・ナショナルズ)42本
- 2014年 ジャンカルロ・スタントン選手(マイアミ・マーリンズ)37本
2022年シーズンにホームラン王を獲得したシュワーバー選手は、2023年シーズンも打率1割台ながら47本のホームランを放つ驚異の1番バッターとしてチームを牽引しました。
MLBの歴代シーズン最多ホームラン記録
最後に、MLBの歴代シーズン最多ホームラン記録を紹介いたします。
- 1 73本 2001年 バリー・ボンズ選手(サンフランシスコ・ジャイアンツ)
- 2 70本 1998年 マーク・マグワイア選手(セントルイス・カージナルス)
- 3 66本 1998年 サミー・ソーサ選手(シカゴ・カブス)
- 4 65本 1999年 マーク・マグワイア選手(セントルイス・カージナルス)
- 5 64本 2001年 サミー・ソーサ選手(シカゴ・カブス)
- 6 63本 1999年 サミー・ソーサ選手(シカゴ・カブス)
- 7 62本 2022年 アーロン・ジャッジ選手(ニューヨーク・ヤンキース)
- 8 61本 1961年 ロジャー・マリス選手(ニューヨーク・ヤンキース)
- 9 60本 1927年 ベーブ・ルース選手(ニューヨーク・ヤンキース)
- 10 59本 1921年 べーブ・ルース選手(ニューヨーク・ヤンキース)
- 10 59本 2017年 ジャンカルロ・スタントン選手(マイアミ・マーリンズ)
まとめ
今回は、MLBのホームラン王ならびに歴代ホームラン王を獲得した選手などについて解説してきました。
2024年シーズンも、選手にはホームランを多数打ってMLBを盛り上げてほしいですね。大谷翔平選手をはじめ、日本人選手の活躍にも期待できますね。
<参考記事>
Barrel Glossary 丨MLB.com
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