日本では、野球が代表的なスポーツの1つとして認められています。知り合いに野球観戦に誘われることもあるでしょう。しかし、野球のルールをよく理解していない人は、意外と少なくありません。
この記事では、野球観戦や野球のプレーをもっと楽しめるよう、野球の基礎的な取り決めについて解説していきます。
目次
野球の基本となるルール
野球は、2チームが得点を取り合って、より多くの得点を得たチームが勝つスポーツです。
攻撃側と守備側にハッキリ分かれるのが特徴で、得点を入れることができるのは、攻撃についているチームのみ。サッカーやバスケットボールのように、相手のボールを奪って瞬時に攻守が入れ替わる、といったことはありません。
攻守が入れ替わるのは、守備側が攻撃側に対して「アウト」を3回取った時です。1回の表から試合が始まるのですが、3つアウトが出ると1回の裏に移ります。1回の裏が終わると2回の表に進行。これを9回まで繰り返して、最終的に得点が多いほうが勝利です。
野球のグラウンドにある塁(ベース)
野球のグランドには、一塁(ファーストベース)、二塁(セカンドベース)、三塁(サードベース)、本塁(ホームベース)という4つの塁があり、その4つのベースが大きな正方形を描いています。正方形の各頂点の右側が一塁、上側が二塁、左側が三塁、下側が本塁です。
攻撃側は、一塁から3つの塁を順に進んでいきます。そして、攻撃側の選手が各塁を一周して、本塁まで戻ってきた時点で1点獲得です。
野球の人数とポジション
守備側は、9人がグランドに立って相手の攻撃を防ぎます。守備側の選手のポジションと役割は次のとおり。
- 投手(ピッチャー) :本塁と二塁の中間位置に立ち、本塁にいる捕手目掛けてボールを投げる
- 捕手(キャッチャー):本塁に陣取り、投手のボールを受け止める。本塁を守る
- 一塁手(ファースト):一塁ベース付近を守る
- 二塁手(セカンド) :一塁ベースと二塁ベースの間を守る
- 三塁手(サード) :三塁ベース付近を守る
- 遊撃手(ショート) :二塁ベースと三塁ベースの間を守る
- 右翼手(ライト) :一塁ベースと二塁ベース後方の外野と呼ばれる位置を守る
- 中堅手(センター) :二塁ベース後方の外野と呼ばれる位置を守る
- 左翼手(レフト) :二塁ベースと三塁ベース後方の外野と呼ばれる位置を守る
対して攻撃側は、本塁の横にあるバッターボックスに一人ずつ順番に立ちます。手に持ったバット(棒)で、ピッチャーが投げるボールを打ちます。
ボールを打った選手は一塁に向かい、次の選手に交替。決められた打順に沿ってバッターボックスに立ち、3つアウトを取られるまで攻撃を続けます。
ストライク・ボールとは
ピッチャーが投げたボールが一定の位置(ストライクゾーン)を通り抜けた場合「ストライク」、ストライクゾーンの外にズレてしまった場合は「ボール」となります。
ストライクを3つ取ると、対戦していたバッターはアウトです。攻撃側は次の選手をバッターボックスに送ります。
ボールを4回投げると投球は失敗(フォアボール)し、バッターは1塁に移動。次の選手がバッターボックスに立ちます。
ストライクの枠はどう決まる?
ストライクの枠は、バッターボックスに立つ選手によって変わります。
バッターの肩の上側とズボンの上側の中間地点がストライクゾーンの上部、膝頭の下がストライクゾーンの下部。本塁になっているホームベースの横幅が、そのままストライクゾーンの横幅になります。
横幅が一定なのに、縦幅が選手ごとに変わるのは公平を期すためです。縦幅も一定にしてしまうと、身長の高い選手と身長の低い選手で、ボールを打つ難しさが大きく変わってしまいます。
ホームラン・ヒット・バントとは
バッターが打ったボールがどうなったのかによって、呼び方が次のように変わります。
- シングルヒット:打球がノーバウンドでキャッチされず、さらに一塁に到達するまでアウトにされなかった場合
- ツーベースヒット:打球がノーバウンドでキャッチされず、さらに二塁に到達するまでアウトにされなかった場合
- スリーベースヒット:打球がノーバウンドでキャッチされず、さらに三塁に到達するまでアウトにされなかった場合
- ホームラン:打球が、バウンドせずに野球場のフェンスを越えた場合。ただし一塁よりも右側か、三塁よりも左側に飛んだ場合はホームランにならない(打球がノーバウンドでキャッチされず、さらに本塁に到達するまでアウトにされなかった場合も、ホームランとなります)
原則として、相手の守備がいない場所にボールを打った時にヒットになります。相手の守備選手がいるところにボールが飛んだのに、守備側がボールを取れなかった場合は、「エラー」となり記録上はヒットとは別の扱いです。ただしエラーでも、攻撃側が塁に出れるのには変わりありません。
また、特殊な打ち方も存在します。バットを振りかぶり、力を込めてボールを叩き返すのが通常のスイングです。
しかしバットをベースの上で構えて、投げられたボールにそっと当てるだけという打法もあります。これが「バント」です。バント時は、バットに当たったボールのスピードが遅くなるため、一塁や二塁にいる選手が、次の塁に進みやすくなります。
攻撃側が三塁に到達しており、その選手をバントで本塁まで返そうとする戦法は「スクイズ」。自分が一塁にたどり着くためにおこなうバントは、「セーフティバント」といって、普通のバントとは区別されています。その他、「セーフティスクイズ」など戦略的にバントを使い分けています。
アウトとなるのはどんな時?
前の項目でも説明したように、ピッチャーに3ストライクを取られるとバッターはアウトです。
ピッチャーのボールが、ストライクゾーンを通った時にストライクになります。また、ボールがストライクゾーンから外れていた場合でも、バッターがバットを振った場合はストライク(空振り)です。
また、打ったボールが一塁よりも右の方向か、三塁よりも左の方向に行ってしまうと「ファール」となり、投球をやり直し。ファールになるとストライクが1つ増えてしまいます。ただし、すでに2つストライクがある場合は、ファールでそれ以上には増えません。
バッターが打ったボールを、守備側が地面に落ちる前に取った場合は、そのバッターはアウトです。ファールになる位置に飛んだボールであっても、ノーバウンドでキャッチできたなら、アウトになるのに変わりありません。
攻撃側の選手がバッターボックスから離れてランナーになっている場合、守備側にボールで触れられるとアウトになります。ただし、一塁、二塁、三塁のどれかの塁を踏んでいる時は、ボールで触られてもアウトになりません。
また、原則として走っている最中に、目指している塁の守備選手にボールが到達してしまった場合もアウトです。
スコアボードの見方
続いてスコアボードの見方について説明しましょう。まず、選手の横に書いてある数字は、守備のポジションを意味します。
数字 | ポジション |
1 | ピッチャー |
2 | キャッチャー |
3 | ファースト |
4 | セカンド |
5 | サード |
6 | ショート |
7 | レフト |
8 | センター |
9 | ライト |
そして「B」「S」「O」という英語の表記は、現時点の試合の状況を意味するもの。Bはボールがいくつ溜まっているか、Sはストライクをいくつ取ったか、Oはアウトが何個目かという意味です。
チーム名の横の上部には、1~9の数字が並びます。これは1~9回という意味です。この数字とチーム名を結んだ地点に、得点が入ります。
数値の右側にある「R」「H」「E」は、全体の状況です。Rはそのチームが何点入れたか、Hは何回ヒットを打ったか、Eは何回エラーをしたかを示しています。
プロ野球の球場のスコアボードには、ピッチャーが投げるボールのスピードを表す球速や、バッターの打率など野球を楽しむための様々な情報が表示されています。
まとめ
野球には沢山のルールがありますが、実はそれほど難しいところはありません。
より楽しく野球を見るために、基本的なルールだけでも覚えてみるのはいかがでしょうか。
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